電子書籍端末を買ったので、久々に小説を買って読んでみました。
電子版が出ていない本だったので、紙の本を購入→裁断しスキャナで読んでPDFに自炊→kobo touchに転送し読みました。
真山仁「ベイジン」(幻冬舎文庫)
2008年刊、中国を舞台に原子力発電所を建設する話なのですが、結末に過酷事故(全電源喪失)が発生、状況は違えど福島第一原発で発生した事態をを予言したような記述がなされている。
・外部送電線の電線が事故前に盗まれていた(当初より外部電源遮断中)
・中央制御室で火災(発電・原子炉停止)
・非常用ディーゼル発電機故障→火災(非常用DGも停止)
で、SBO(ステーションブラックアウト:全電源喪失)となり、原子炉は停止したものの温度・圧力が上昇、その他不具合で原子炉への給水もままならず、海水注入の検討、ベントするも・・・と小説はここで終了するが、現実世界ではこの続きが発生しているわけで・・・
作者は必ずしも原子力に明るいわけではなく、本書を書くにあたって専門家のヒアリングをした模様。
ということは、全電源喪失したときに発生することはもともと想定できていたわけで、その知見が現実に生かされていなかったことになりますね。
作成したPDFのデータは20-30MB、にもかかわらずkobo touchでのページめくりに反応しないことがあり、一度ホームに戻ってから再度本を開いたり、全く応答なくなって電源OFF/ONしたり等、若干ストレスのかかる読書でした。